交通事故の慰謝料を弁護士に依頼した場合

交通事故の慰謝料を弁護士に依頼した場合

一番のメリットはどこ?

交通事故に遭った後、慰謝料請求について悩んでいる方は多いでしょう。特に多いのが『弁護士に依頼すべきか』ということです。結論からいいますと、確実に弁護士に依頼したほうが良いでしょう。というのも、弁護士に依頼することでさまざまなメリットがあるからです。そのなかで一番のメリットになるのが”慰謝料の増額”になります。

交通事故による慰謝料は3つ。傷害慰謝料と後遺障害慰謝料、そして死亡慰謝料です。それぞれ請求するには条件を満たす必要があり、交通事故の状況によって選択できる慰謝料が異なります。傷害慰謝料は、事故による怪我で治療を受けた場合の入通院の支払いです。どれくらいの費用を受け取ることができるかは入通院の期間によって変わります。また『治療期間』か『実治療日数』かどちらを基準にするかによっても算定額が変わってくるでしょう。後遺障害慰謝料は、事故による怪我で後遺障害が認定された場合に支払われる慰謝料です。後遺症と後遺障害は似て非なるもので、後遺障害は後遺症の種類になります。第1級~第14級まであり、状況によって等級が認定されます。後遺障害の認定は4つの条件をすべて満たす必要があります。死亡慰謝料は、被害者が死亡した場合に支払われる慰謝料です。扶養家族やどれくらいの過失かによって増額される場合があります。

依頼するタイミング

基本的に、依頼は早いほど良いといわれています。しかし急いで早く進めても、良い結果にはならないのも事実。被害者にとってどのタイミングが依頼にベストなのか知っておくと、万が一交通事故に遭ってしまった場合でも安心でしょう。

まず、弁護士に依頼すると示談交渉から進めていくことになります。一般的に個人で示談交渉を行うと、最低でも半年はかかるといわれています。しかし弁護士に依頼すると、最短1カ月程度。非常に短い期間で示談交渉まで進めることができるようになります。ちなみに、示談交渉は事故直後からでも可能です。物損事故の場合でも、両者に大きな問題がない限りすぐに示談開始が可能になります。ただし人身事故や傷害事故の場合は、示談を急いでしまうと損害賠償金の請求ができなくなる可能性があるので注意しなければいけません。そして後遺障害が残った場合は、治療が優先になります。必ず症状固定するまで示談交渉はしないようにしてください。症状固定までは事故から約6カ月前後といわれています。

依頼後の解決までの期間

弁護士に依頼すると、解決までの期間が短縮されます。しかし、『示談交渉のみ』と『訴訟を行う』場合とでは解決までの期間が異なります。前者の場合、1~2カ月程度。どの段階で弁護士に依頼するかによって違ってきますが、すでに加害者側の保険会社から示談交渉が行われている場合、約2週間程度と短くなりますので、最短1~2か月で解決するといわれています。一方で訴訟まで行った場合、半年~1年程度が目安です。裁判所へ法的手続きが必要になるため、ある程度時間を費やすことになってしまいます。また後遺障害を認定した場合、症状固定までの期間と等級の申請が終わるまでの期間、等級の認定が下るまでの期間を合わせて約8カ月程度になります。

自分に合った弁護士の見つけ方

ただ弁護士に依頼するだけでは、必ずしも自分にとってメリットになるとは限りません。ですから、少しでも自分に合った弁護士を見つけるために、いくつかのポイントをチェックしてみましょう。

まず、過去にどれくらいの交通事故事件を取り扱ったかです。弁護士によって得意不得意は異なります。たとえば、債務整理に強い弁護士に交通事故の慰謝料に関して依頼しても、スムーズに解決できないかもしれません。ですから、弁護士事務所の公式サイトなどでどんな事件を主に解決しているか確認してみましょう。そして、分かりやすく丁寧な説明、訴訟経験があることも重要になります。

弁護士への依頼を検討している方は、ぜひこれらをチェックしてみてください。

交通事故の慰謝料は弁護士に相談したほうが良い?

慰謝料の増額が可能

交通事故の慰謝料を弁護士に相談したほうが良い一番の理由は、”慰謝料の増額が望めること”がもっとも大きいでしょう。交通事故の慰謝料は3つに分類されます。1つ目は、『傷害慰謝料』です。入通院慰謝料とも呼ばれており、交通事故によって病院での治療が必要になった場合で、入通院をすると支払われます。費用は、入通院の期間によって異なります。自賠責保険の場合、法律で決まっています。2つ目は、『後遺障害慰謝料』です。後遺症慰謝料とも呼ばれており、その名のとおり交通事故によって後遺障害が現れた場合、それを認められると支払われます。ただし、後遺症があるというだけでは支払われませんので注意してください。後遺障害は、後遺症に等級付けを行ったものをいいます。

・将来的な回復が見込めない。

・交通事故による明確な原因がある。

・医学的にも明確に後遺症が認められている。

・自賠法施行令の等級に該当している。

これらの条件に当てはまる方は、後遺障害慰謝料を受け取ることができます。3つ目は『死亡慰謝料』です。交通事故によって被害者が亡くなってしまった場合に支払われます。被害者の扶養家族が多い場合、重度の過失だった場合は慰謝料が増額されることになります。

示談交渉がスムーズになる

弁護士に依頼することで、示談交渉がスムーズに進むのも大きなメリットになるでしょう。示談交渉は、一度成立してしまうと再度請求することはできません。このとき、いかに必要なことを主張できるかは、依頼する弁護士によって異なります。示談交渉が上手くいかない場合、交通事故による精神的苦痛に対する相応の金額を支払ってもらうことができません。結果、損してしまうことになります。それを避けるためにも、専門的知識のある弁護士に依頼するのがベストでしょう。

心身の負担を軽減できる

専門的知識がある弁護士に相談することで、問題の解決がスムーズに進みます。これは、心身の負担を軽減してくれることになります。弁護士は被害者の交渉をすべて行ってくれますから、問題に対する悩み、対応に費やす時間も減らすことができます。

交通事故による慰謝料にかかる費用

障害慰謝料について

入通院慰謝料とも呼ばれており、交通事故の怪我によって入通院をした場合に支払われます。費用は、自賠責保険を利用することができますが、入通院にかかった期間で決まるため金額は増減します。そのため、3か月通院のみに支払われる金額と、入院1カ月・通院3か月で支払われる金額は当然違います。ちなみに、自賠責基準と裁判所基準でも金額は異なります。

任意保険の場合は明確な金額の基準がありませんが、自賠責保険の1日あたりの費用を基準にすると良いでしょう。

後遺障害慰謝料について

交通事故が原因で後遺障害が認められた場合に支払われます。後遺症と後遺障害は症状が異なるため、ただ後遺症があるだけでは慰謝料の支払いはありません。後遺障害というのは、後遺症によって等級が付けられた場合です。そのため、どんなに痛みが残っていても、等級が付けられない場合は後遺障害慰謝料の対象外になりますので気をつけてください。

後遺障害の認定は一般的に4つの条件があり、これらをクリアする必要があります。1.症状固定(将来的な回復が見込めない)、2.交通事故が原因であるという明確な証拠がある、3.医学的にも明確な後遺症が認められている、4.自賠法施行令の等級に該当。万が一申請が通らなかった場合、訴訟手続きによって支払ってもらうこともできます。しかし相当な時間を費やすことになり、専門的知識も必要になります。弁護士のサポートは必須といえるでしょう。

死亡慰謝料について

被害者が死亡してしまった場合、死亡慰謝料が支払われます。どれだけの金額が支払われるかは、扶養家族や相手の状態によって異なります。また被害者の立場によっても違ってくるでしょう。たとえば、一家の支柱や子供、高齢者などです。もちろん配偶者であった場合でもきちんと支払われます。

ちなみに、扶養家族が多い場合や重度の過失、無免許運転・飲酒運転・ひき逃げなどによる交通事故は慰謝料が増額される場合があります。

交通事故での弁護士に依頼するタイミング

示談交渉と訴訟の場合

交通事故の問題を弁護士に依頼する場合、示談交渉のみと訴訟まで行った場合とでは解決までの日数が異なります。示談交渉のみの場合、1~2か月程度。もちろん、どんな弁護士に依頼するかによって前後します。交通事故問題に強い弁護士であれば、目安の期間で解決することが多いでしょう。また、現在どの段階まで進んでいるかによっても、示談交渉から解決までかかる期間が異なります。たとえば、すでに加害者の保険会社で示談交渉がある場合、示談交渉のみで進めると最短2週間程度で示談交渉が行われます。解決までは、先ほど述べたとおり1~2か月程度。あくまで目安ですが、比較的早い段階で解決できるでしょう。

一方で訴訟まで行った場合、最短半年。長くても1年程度になります。訴訟は、示談交渉が成立しない場合に行われます。ですから、示談交渉のみで成立すれば訴訟は省略されます。

交通事故による怪我の度合いでも異なる

たとえば後遺障害の認定を受けた場合、解決までかかる期間は8カ月程度。症状固定・後遺障害等級の申請・後遺障害等級の認定それぞれにある程度の期間が必要になるため、総期間が8カ月程度になるわけです。症状固定まで6カ月程度。それまでは弁護士に依頼するのは避けたほうが良いでしょう。保険会社によっては6カ月になる前に症状固定を指示される場合もありますが、判断は医師が行いますので安易に従わなくてOKです。

申請が終わるまでの期間は1カ月程度。加害者の保険会社による『事前認定』で後遺障害等級が認められないことを避けるためにも、きちんと弁護士に相談しましょう。等級が認められるまでの期間は40日程度。ただし重傷度が高い場合、さらにかかることもあります。

どんな弁護士に依頼するべきか

これらの期間を参考に、弁護士に依頼しましょう。依頼は、早ければ早いほど良いといわれています。示談交渉や訴訟などにかかる期間が異なってきますので、当然依頼が遅くなればなるほど解決まで時間がかかります。それを避けるためにも、早い依頼をオススメします。

交通事故に強い弁護士とは?

交通事故事件の取り扱い件数

交通事故問題は、ただ弁護士に依頼すれば良いというわけではありません。少しでも安心して問題を解決してもらうためには、”どれくらいの交通事故件数を取り扱っているか”ということです。要するに交通事故問題の経験がいかに豊富かによって示談交渉がスムーズに進みます。『弁護士に依頼したのに失敗した』という方は、交通事故問題に弱い弁護士だったのかもしれません。そこもしっかり理解して依頼すると問題解決までスムーズに進むでしょう。

ですから、まず交通事故の事件を過去にどれくらい扱ってきたかチェックしてください。最近は過去依頼を受けた案件を公式ホームページに掲載している弁護士が増えています。そのなかに交通事故事件はどれくらいありますか?弁護士としての経験も重要ですが、依頼したい事件の実績が非常に重要になります。

説明は分かりやすく丁寧か

もちろん、交通事故の問題をたくさん解決してきても、説明が分かりにくい場合や不親切な場合は避けたほうが無難です。ほとんどの場合、交通事故問題に多く携わった弁護士は分かりやすく丁寧な説明をしてくれますが、それでもやはりきちんとチェックしておきたいところ。特に後遺症と後遺障害に関しては状態によって慰謝料の有無も異なってきますから、説明が分かりにくいとトラブルになり兼ねません。自分が納得するまで親身になって相談に乗ってくれる弁護士は安心でしょう。

訴訟経験の有無

示談交渉だけではなかなか解決しないのが交通事故問題です。ですから、訴訟経験の有無やどれくらいの経験があるかも重要になるでしょう。交通事故の慰謝料はさまざまな手段があるからこそ、それぞれの経験は必要不可欠です。専門知識や経験が豊富な弁護士ほど安心して依頼できますから、事前に確認しておきましょう。適切な判断ができない弁護士に依頼してしまうと、間違った慰謝料を支払われる可能性があります。慰謝料は、弁護士の判断によっても金額に差が出ますから、十分注意してください。

交通事故の慰謝料は引き上げることができる?

過失割合を下げるには?

交通事故の慰謝料は引き上げることができるのは知っていますか?いくつか方法がありますが、そのなかで特に重要になるのが『過失割合』です。過失割合を下げることで、慰謝料を少しでも多く受け取ることができるようになります。過失割合とは、交通事故に対する不注意や過失を意味します。双方に過失があった場合の交通事故は話し合いにて過失割合が決定しますが、相手が一方的に悪い場合の事故は相手の保健会社から過失を下げることができるようになっています。

一般的に、被害者側の過失は保険会社によって高く提示されます。これに対し反論することで過失割合を下げてもらうことができますが、それ以上に下げることは十分可能です。保険会社が提示した通りの過失割合のままでは当然慰謝料は低いままですので、少しでも引き上げてもらうためにはやはり主張するしかありません。

車の修理費用を持つ

車の修理費用を持つだけでは、慰謝料の引き上げはできません。ここでもやはり『過失割合』がポイントになります。修理費用を持つことで過失割合を10対0にしてもらうと、慰謝料がプラスになるといわれています。保険会社は物損事故の修繕費用を支払うことになりますが、この費用には自賠責保険の担保が含まれていません。ということは支出が発生してしまいます。その支出を減らすために、被害者が物損事故の修繕費用を支払うことで過失割合を下げることができます。過失割合が高いと当然慰謝料に影響しますから、支払ってもらえる金額はマイナスになってしまうでしょう。ですから、まずは過失割合を0にするために保険会社が支払う費用を持つことを検討してみてください。

各認定を受ける

各認定とは、後遺障害の等級と逸失利益です。後遺障害の等級は、慰謝料に大きく影響します。等級は1級~14級まであり、低いほど支払われる金額は高くなります。さらに、逸失利益の認定も受けることができれば高確率で慰謝料を引き上げることができるでしょう。

交通事故、弁護士に依頼する費用について

費用は弁護士が決めている?

弁護士費用は、弁護士によって決まっているのは知っていますか?そのため、弁護士事務所によって費用設定額が異なります。もちろん費用の基準はありますが、基本的に依頼する弁護士によって費用が高いところと低いところがあります。そこをきちんと理解しておかなければ、弁護士選びで失敗してしまうでしょう。

弁護士は、日本弁護士連合会に属しており、最低限の規則があります。ですから、たとえ費用が高いところがあっても、規則の範囲内であれば問題ないのです。また平成16年4月1日から報酬額の設定が自由になっています。これにより、ますます費用が高い弁護士事務所が増えているのでしょう。とはいえ、儲けのためや無条件で報酬を高くすることはできません。

相場を比較しよう

費用が高いところと低いところがあるのは事実ですが、各弁護士の費用を比較しておくと安心です。一般的に、弁護士に依頼してかかる費用は『相談料』『着手金』『報酬金』になります。相談料や裁判の着手金は無料のところもあり、少しでも費用を抑えたい方は、ここをチェックしておくと安心です。またこれらの費用は、示談交渉や裁判、後遺障害などによって異なります。

ちなみに相談料に関しては、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準をそのまま利用している場合、無料にはなりません。しかし基本的に1時間1万円までですので、それ以上を超える設定は高いといえます。近年は相談料無料のところが多く、やはり相談料はかからないところのほうが利用しやすいでしょう。

弁護士費用を安く抑える方法

少しでも弁護士費用を安くするためには、やはり先にも述べたように”相談料が無料”のところが妥当になります。費用の特約を利用するのもOK。このサービスは任意保険のオプションで、賢く利用すれば弁護士費用の削減にも役立ちます。もちろん、任意保険に加入していない方は利用できませんので注意してください。

また、居住地から近い場所にある弁護士事務所を利用するのも費用を安く抑えることができるでしょう。遠方ですと、交通費や日当だけで高くなってしまう恐れがあるからです。

交通事故が解決するまでの流れを知ろう

治療・通院・症状固定

交通事故が発生すると、『警察への届け出』『警察による実況見分』で今後どのように問題解決していくかが決まります。そのため、交通事故が発生したからといってすぐに示談交渉や物損事故としての届け出を出すのは避けたほうが良いでしょう。冒頭で述べている『警察への届け出』は、”人身事故”としての届け出です。

警察への届け出や実況見分が終わると、治療・通院・症状固定になります。たとえ自覚症状が出ていなくても、きちんと病院で治療を受け診断結果を出してもらうことが大切です。万が一後遺障害があった場合は、きちんと認定を受けなければいけません。また、治療では必ず健康保険を使用してください。病院によってはあまり良く思わないところもありますが、健康保険は交通事故でもきちんと適用してもらえますから、必ず提示しましょう。

症状固定とは、将来的に見て回復が見込めない場合を意味します。症状固定になると治療の意味がないと判断されますから、請求が難しくなってしまいます。ですから、治療費を請求するなら症状固定までに行いましょう。また保険会社が症状固定を提示してきても安易に応じないようにしてください。

後遺障害の認定

症状固定後の症状は後遺障害になります。損害賠償の請求が可能です。『後遺症による過失利益』『後遺症慰謝料』の2種類あり、過失利益が多いほど賠償金額は高くなります。

後遺障害の認定を受けるには、事前認定と被疑者請求の方法があります。事前認定は保険会社が手続きを行い、被害者請求は被害者側が手続きを行います。当然手間がかかるのは後者です。しかし納得のいく等級認定を受けることができますので、なるべく被害者側が手続きを行うようにしましょう。

示談交渉へ

等級認定が終われば、示談交渉に進みます。示談交渉は、交通事故問題に強い弁護士に相談するのがもっとも適切な賠償金を支払ってもらうことができます。場合によっては2~3倍増額されることもありますから、多少費用はかかりますが、専門家に相談したほうが安心です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です